体積抵抗率・表面抵抗率測定

概要

絶縁材料の体積抵抗率・表面抵抗率を測定し、絶縁性を評価します。
電化製品や電子機器に必須なプラスチック材料は、使用する材料を選定する際に体積抵抗率と表面抵抗率の数値が求められます。
体積抵抗率は絶縁性の高さを表す数値として用いられます。また表面抵抗率は帯電防止性能評価としても用いられています。

対象規格:JIS C2139-3, JIS K6911, ASTM D257, IEC62631-3, IEC60093

構成

絶縁抵抗計
使用装置 (株)エーディーシー製デジタル超高抵抗/微小電流計 5450
測定範囲 1×101(Ω)~3×1017(Ω)[抵抗], 1(fA)~20(mA)[電流]
測定温度 23℃~200℃
試料寸法 平板 100×100mm程度, 円板 φ100mm程度

測定原理

試料表面に形成した測定用電極に直流電圧を印加し、試料内または試料表面を流れる微弱電流を計測します。計測された電流からオームの法則を用いて試料の体積抵抗および表面抵抗を算出します。

体積・表面抵抗(Ω)=印加電圧測定した電流値

電極配置図 体積抵抗率回路図 表面抵抗率回路図

抵抗率の計算

体積抵抗率(Ω・m)=体積抵抗×電極の有効面積試料厚さ

表面抵抗率(Ω/□)=表面抵抗×電極の有効長さ電極間距離


電極の有効面積:主電極とリング電極の中間点までを電流が流れる範囲とした面積。主電極径φ50mm、
リング電極内径φ60mmで測定を実施した場合、φ55mmの円を面積として計算に用いる。

電極の有効長さ:主電極とリング電極内側の円周に差異があるためそれぞれの円周を足して1/2した値を有効
長さとして計算に用いる。

表面抵抗率の単位:本来Ωのみであるが、抵抗の単位と混同してしまうため、Ω/□で表記する場合がある。